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がん消滅の罠 完全寛解の謎

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今年最初の読書ログ。二〇二一年一月二日に購入したやつです。
さて、今回はタイトルとこのミス大賞と言うだけで下調べなしで読み始めたのですが、医療がテーマのミステリーってどうも難しいだけで理解しにくいというか…医療ヲタの私はいつも読めるけど、周囲はあまり…といった感想になりがちだけど、これは周囲にも勧めたい作品。


誰しもがかかるガン

成人の二人に一人がガンにかかると言う時代で、命を取られる病気として恐れられているガン。これを完全寛解させる謎のミステリー小説。
登場人物もさほど多くなく、読み返さなくてもするすると繋がっていく。ミステリー小説で使われる医療設定というのは、驚くほどクオリティが低い医療現場であったり、逆に理想を追い求めた結果と言うことが多い中、実際に実在しそうなレベルの医療体制であったり、治療方法もそんなにトリッキーなものではなく、本当に現実にありそうな内容。

何重にも張られた伏線が、巻き取られ最後は西條氏と言う人の人生について考えさせられる内容であった。

殺人犯を推理などで追い詰めていくのが、基本ミステリーの醍醐味だろう。しかし、なぜガンが消滅したのか。どうやって。と考え追求していくと言う形式のミステリーはなかなかないと思う。

一度死を経験したものは本来の強さといった命の輝きを取り戻す。的な思想については様々なミステリーでも描かれている。

誉田哲也氏のストロベリーナイトでも同様の手法で、ある時から見違えたように仕事に精力的に取り組むようになった。など、自分の死生観に触れることで生きることについて、真剣に考え今という時間軸を大切にしなければという一種の啓発に近い何か。

そう、とても哲学的ではあるが、人は生まれいつかは死ぬ。その死について死の経験が深ければ深いほど、その人の人生に深みが出る。わからなくはなかったりする。

生きると死ぬ

実はとても曖昧な線引きの中で我々は今を過ごしているということ、強烈な生への渇望もなければ、惰性で生きているに近い部分が誰にでもある。しかし、死の淵に立たされた時、人は誰しもが強烈な生への執着をするものである。

私も幾度となく病気を繰り返したが、死ぬと覚悟したのは1度だけ。ただ、あの時は本当になんでもするから生きたいと思った。普段は死にたいなどと思っているにもかかわらず。

そんな、生命の煌めきとも言える生への渇望は、時に復讐や報復でも同様のことが起こり得るのかもしれない。

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